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錦織圭

2019年全豪オープン4回戦でのスペインのカレーニョブスタ選手との激闘は感動的でした。勝敗の行方が二転三転する中で、お互い集中して全力を尽くしていました。最近の錦織選手の試合は、自分のプレーに苛立つ姿が目立ち、個人的にはがっかりさせられることが続いていたのですが、今回の彼には参りました。あれだけ緊迫し、見ているこちらが緊張してしまう場面においても、果敢に攻撃し、ミスをしてもさっと次のプレーに集中し、圧倒的に不利な状況でも、敗北を恐れず、苛立ちを見せませんでした。その神々しいまでのプレーに涙が出ました。思えば2014年の全米オープンで準優勝した当時の彼の勢いは目を見張るものがありました。今の大坂なおみの様に、このままナンバーワンになれるのではと期待させました。しかしその後の彼は、その時の自分を追い掛け、いつも空回りしているように見えました。あれから4年半近く経った今、ようやく彼は新たな境地に至ったのではないでしょうか。今回彼が示した精神性は、とても崇高なもので、次の試合でリタイアし、ジョコビッチに15連敗を喫したことなど取るに足らないことに思えます。この精神性を維持すれば、いずれジョコビッチを破り、グランドスラムの一つや二つは獲得できる様に思います。それよりも何よりも、今回の彼が示した精神性を思い起こせば、どんな時でも私自身が頑張れそうな気がしたのです。

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